2012年08月07日

池澤夏樹『カデナ』

 文庫になった。買ってしまった。
 池澤夏樹の小説に関しては『静かな大地』ぐらい知らない。ただ彼が沖縄に住んでいた時期はあの「少女性暴力事件」が起こり、今日に続く併合後の新たな「島ぐるみ」闘争が始まった。彼は、誠実とナイーブがない交ぜになったような「普天間移設先」を提案するという、或る意味では愚かしい提言もし、ルサンチマンに満ちたウチナンーチュから「糾弾」を受けたとも聞く。その顛末は不詳ではあるが、少なくとも10年も住んでいた(これも「植民者」と罵られたか?)から、沖縄への「愛」は豊富だったのだろう。

 「沖縄戦」を体験していない3人(もっとも、一人は戦後生まれ)と、北ベトナムの「工作員」。帯には「たった4人で100万人の命を救う方法。」とあったが、いささかミスリードの感は否めない。しかし、奥間ビーチからアブチラガマまで、三人が織りなす沖縄は、まったく違和感を感じさせない。
 馳の場合は、何かしらこだわりがあった分、話が上滑りになってしまったが、こちらは「ベ平連」だ、人を信じるのに急! そして、当然にも「素人」に限りないシンパシー!
 「いってみれば中からおちょくる話だから、軽くしたい」(帯より)という作者の「言い訳」(笑)も、まぁ、そのまま受け取って、「沖縄」を堪能しましょう、というところか。

 それにしても、そうか、フリーダは、そんな風に生きて行くのか。


posted by 風游 at 00:01| 沖縄 ☔| Comment(1) | TrackBack(0) | 小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ご本人は至って真面目なのだろうが、この脇の甘さは如何ともし難い。2月5日の朝日でのコラム。馬毛島問題で懲りているのかと思っていたが……

もっとも、ダブルスタンダードの批判には、いささか辟易させられるが……
Posted by 風游 at 2013年02月09日 09:36
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